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【2025年7月28日】今日は<土潤溽暑(つちうるおうてむしあつし)>

七十二候で感じる日本の季節

目次

~「土潤溽暑(つちうるおう てむしあつし)」を知れば、夏の過ごし方が変わる!~


1. 「土潤溽暑」とは? まずは読み方と意味をチェック!

土潤溽暑(つちうるおう てむしあつし)」――
読み方からして何やら重たそうな空気を感じますね(笑)。

この言葉は、**日本の古来の暦「七十二候(しちじゅうにこう)」**に出てくる、夏の一時期を表す季節の名前のひとつ。

七十二候は、約5日ごとに季節の移ろいを細かく分けた暦で、
「立春」「立夏」「立秋」などの二十四節気のそれぞれを3つに分けて表現しています。


● 土潤溽暑の期間はいつ?

二十四節気の「大暑(たいしょ)」の初候にあたるのが、この「土潤溽暑」。

つまり、毎年7月22日ごろから7月26日ごろまでの5日間がこの時期にあたります(※年により前後あり)。

● どんな意味?

  • 「土潤う」= 土が湿り気を帯びている
  • 「溽暑(じょくしょ)」= 蒸し暑い、湿気を伴う酷暑

要するに、「大地が湿って、蒸し蒸しと暑さが増す頃」という意味です。


2. 「日本の夏、湿気の夏」―― 土潤溽暑は“蒸し風呂”のサイン

日本の夏は、とにかく湿気との闘い

この「土潤溽暑」の頃になると、梅雨が完全に明け、夏の強烈な日差しが大地を焼きはじめる一方、地面にはまだ水分がたっぷり。

その結果…

  • 日差しが強い
  • 地面からも蒸気が立つ
  • 湿度は70~90%
  • 気温は30度を軽く超える

つまり、まるで「天然サウナ状態」になるのがこの時期なんです。

● こんな風に感じていませんか?

  • エアコンつけてるのに、なんかジメジメしてる…
  • 家の中の床がベタベタ…
  • 洗濯物が乾いたのに臭いがする…

→ そう、それはまさに「土潤溽暑現象」です!


3. 先人たちはどうやって「溽暑」を乗り越えた?

今でこそエアコンや扇風機がある私たちですが、昔の人々はどうしていたのでしょうか?
この時期に使われていた“夏の知恵”をいくつかご紹介します。

✅ 1. 打ち水(うちみず)

朝や夕方に水を撒くことで、気化熱により地面の温度を下げ、周囲の体感温度を下げるという日本の知恵。
現在でも玄関前やベランダに撒くだけでかなり涼しさを感じられます。

✅ 2. すだれ・簾戸(すど)

窓の外に吊るした「すだれ」は、強い日差しを遮りながら、風は通す。
エアコンのない時代、夏を過ごす大切なアイテムでした。

✅ 3. 行水(ぎょうずい)

お風呂にお湯ではなく水を張って、桶でバシャバシャ。
今で言う「水シャワー」で、さっぱりリフレッシュ!

✅ 4. 夏の食材で身体を冷やす

  • うなぎ(精をつける)
  • きゅうり、なす、トマト(体の熱を冷ます)
  • 麦茶、しそ、梅干し(疲労回復・殺菌作用)

「食べることも涼しさのうち」だったんですね。


4. 土潤溽暑の時期に気をつけたいこと

蒸し暑いこの季節は、身体にも心にも負担がかかりやすいです。
以下のような点に注意して、健康と快適さをキープしましょう!


☀️ 熱中症に注意!

  • 室内でも油断禁物。こまめな水分補給を。
  • 塩分とミネラルも一緒に摂る。
  • 可能であれば昼間の外出は避け、帽子・日傘を活用。

🌀 室内の湿度管理を

  • 湿度が70%を超えるとカビ・ダニが繁殖しやすくなる
  • 除湿機やエアコンのドライモード、サーキュレーターを活用
  • 布団やカーペットの湿気対策も忘れずに

🧘‍♀️ 自律神経を整える

気圧や温度の変化が激しく、身体のリズムが乱れやすい時期。
以下のような習慣を心がけましょう。

  • 朝起きたらカーテンを開け、日光を浴びる
  • 冷たいものを摂りすぎない
  • 適度に汗をかく(軽い運動、入浴など)

5. この時期を楽しむ!風情ある「土潤溽暑」の過ごし方

さて、「蒸し暑い…」と嘆くだけではもったいない!

🌻 この時期ならではの楽しみ方をご提案します。


✅ 1. 風鈴と氷の音に癒される

耳で感じる“涼”も日本の夏の粋。
氷がグラスに当たる音、風鈴の「ちりん…」という音色に、意外とリラックス効果があるんです。


✅ 2. 夜の涼風と虫の音に耳を傾けてみる

この頃から夜になると、ヒグラシやカエル、秋の虫の声がちらほら。
「もう秋が近づいているんだな」と季節のグラデーションを楽しめます。


✅ 3. 夏野菜をフル活用した料理

土潤=大地が潤っているということは、野菜が育つ時期でもあります。

  • 冷やしトマト
  • きゅうりの浅漬け
  • ナスの揚げ浸し
  • ゴーヤチャンプルー

など、旬を楽しむことで身体も自然と整うようになっています。


✅ 4. 梅干しの土用干し

「土潤溽暑」の頃は「土用」の時期でもあります。
この頃に、梅を3日間天日干しして「梅干し」を作るのも風物詩。
先人の生活の知恵と、太陽の恵みに感謝できる時間です。


6. 土潤溽暑から学ぶ「自然と共に生きる知恵」

この七十二候の魅力は、
「自然の変化を五感で感じる」ことを大切にしている点です。

🌾 土の匂い

雨上がり、乾いた土の香りが変化するのを感じたことはありませんか?

💨 湿気を含んだ風

エアコンの風とは違う、「湿気を含んだ風」の重さと匂い。

🍃 草木の色合い

濃く力強い緑に変わる葉っぱ。成長のピークを迎える自然。


こうした感覚は、スマホやエアコンでは感じられません。
土潤溽暑は、私たちが「自然と共にある感覚」を取り戻すチャンスでもあるのです。


7. まとめ:蒸し暑さを“季節のごちそう”に変えよう

「土潤溽暑」は、ただの「蒸し暑い日」ではなく、
大地が潤い、命が育ち、夏が本格的に動き出す合図のようなもの。

  • ちょっと汗をかいてもいいじゃない
  • 涼を感じる工夫をしてみよう
  • 旬を食べて、整えよう
  • そして、ほんの少し空や風を見上げてみよう

日本の四季は「不便」を「風情」に変える力を持っています。


8. おまけ:季節の挨拶にも使える!

文書や手紙の書き出しに迷ったとき、こんな言い回しはいかが?

「土潤溽暑の候、ますますご清祥のこととお喜び申し上げます」

ちょっとした風流な表現で、印象アップまちがいなしです。


✨最後に

現代に生きる私たちが忘れがちな「季節と寄り添う暮らし」。
「土潤溽暑」という言葉は、そのヒントをそっと教えてくれています。

この時期を、ただ暑いと嘆くのではなく、**「自然と一体になる夏」**として味わってみてはいかがでしょうか?

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