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【2024年9月22日】今日は<雷乃収声(かみなりすなわちこえをおさむ)>

雷乃収声(かみなりすなわちこえをおさむ)

「雷乃収声(かみなりすなわちこえをおさむ)」は、日本の七十二候の一つで、秋に入る頃を表す節気です。読み方が少し難しいですが、「雷が鳴り止む」という意味があります。雷は、春から夏にかけてよく鳴り響きますが、この時期になるとその音が少なくなり、秋の静かな季節が訪れることを示しています。

雷乃収声の時期

「雷乃収声」は、二十四節気の「白露(はくろ)」の末候にあたります。白露は9月上旬から中旬にかけての期間で、この末候が9月13日頃から17日頃まで続きます。つまり、この頃は夏の終わりを告げ、秋の深まりを感じ始める季節です。

この時期、日本では日中はまだ少し暑さが残っていますが、朝夕には涼しさが増してきます。夜には虫の声が響き渡り、雷の鳴る音が次第に消えていく様子が、「雷乃収声」という言葉に表されています。雷が去っていくと同時に、夏の激しさも静まり、秋の穏やかな空気が広がるのです。

雷の文化的な意味

日本では雷は、古くから神の存在や自然の力の象徴とされてきました。稲妻が空を裂き、雷が大地に響く様子は、豊作や収穫をもたらす力とも結びつけられています。雷が多い夏は稲作にとっても重要な時期であり、雷が鳴り響くことで稲が元気に育つという信仰もありました。

そのため、雷が鳴り止む「雷乃収声」は、稲が成熟し、収穫に向かう準備が整った時期でもあるのです。この頃になると、田んぼの稲が黄金色に輝き始め、秋の収穫を迎える期待感が高まります。

雷乃収声にまつわる昔話

昔、ある村では雷を「雷様(らいさま)」と呼び、雷様が空を駆け回ると、その年の稲が豊かに実ると信じられていました。しかし、一度雷様が怒って村中に雷を落とし、畑を焼き尽くしてしまったことがありました。村人たちは恐れおののき、雷様を鎮めるために祈りを捧げました。

その時、村の子どもが天に向かって「雷様、お願いです!もう怒らないで!」と叫ぶと、不思議なことに雷はぴたりと止んでしまいました。それからというもの、村では毎年秋になると、雷様に感謝しつつも、雷が鳴り止む頃に子どもたちが「雷様、ありがとう」と天に向かって叫ぶという風習が生まれたそうです。このエピソードは、雷が去り、静かな秋を迎える「雷乃収声」の頃にぴったりの物語として、今も語り継がれています。

雷乃収声の自然観察

雷乃収声の時期は、自然の移り変わりを感じる絶好の時期です。この時期に観察できる自然の変化として、いくつか挙げてみましょう。

  1. 稲の黄金色の変化:田んぼの稲が、青々とした夏の姿から、黄金色へと変わり始めます。これは、収穫が近づいていることを意味し、村全体が秋の実りを楽しみにする時期でもあります。
  2. 虫の音が増える:雷の音が収まり、夜になるとスズムシやコオロギなどの虫の声が響き渡ります。これらの虫たちの声は、秋の訪れを感じさせ、夏の終わりと秋の始まりを象徴しています。
  3. 秋の風の冷たさ:日中はまだ夏の残暑が感じられるものの、朝晩の風は少しずつ冷たくなり、秋の空気を感じられます。この季節の移り変わりを肌で感じることができるのが、雷乃収声の特徴です。

雷乃収声の過ごし方

雷乃収声の時期は、夏の疲れを癒し、秋の収穫に向けて体調を整える大切な時期です。いくつか、この時期の過ごし方や楽しみ方をご紹介します。

  1. 秋の味覚を楽しむ:この時期には、夏野菜に代わって秋の味覚が登場します。サツマイモやカボチャ、キノコ類など、旬の食材を使った料理を楽しむことで、季節の移り変わりを感じることができます。特に、これから収穫が本格化する新米を楽しむのもおすすめです。
  2. 自然の音を楽しむ:雷の音が収まった静かな夜には、虫の声に耳を傾けてみましょう。スズムシやコオロギの鳴き声が、夏の終わりと秋の訪れを感じさせてくれます。都会でも、公園や庭先で耳を澄ませば、自然の音を楽しむことができるでしょう。
  3. 秋の風を感じる散歩:朝夕の涼しい風が心地よく感じられるこの時期は、散歩をするのに最適です。自然の移ろいを感じながら、のんびりと歩いてみると、心も体もリフレッシュできます。

雷乃収声の象徴としての雷

「雷乃収声」は、雷が鳴り止むという具体的な現象を示していますが、同時にそれは、季節の変わり目を象徴する詩的な表現でもあります。雷が激しく鳴る夏はエネルギーと活力に満ちた季節ですが、その音が収まる秋は、静けさと安らぎを感じさせる時期です。

雷が鳴り響く夏から、虫の声が響く秋へと変わっていくこの時期は、自然の大きなサイクルを実感させてくれます。そして、この移り変わりを通じて、季節ごとの美しさや豊かさを改めて感じることができるのです。

まとめ

「雷乃収声(かみなりすなわちこえをおさむ)」は、夏の終わりを告げ、秋の静かな季節が始まることを意味する七十二候の一つです。雷が去り、虫の音が響くこの時期は、秋の訪れを感じる大切なタイミングであり、自然の移ろいを楽しむ絶好の時期でもあります。夏の疲れを癒し、秋の実りに感謝しながら、この穏やかな季節を存分に楽しんでください。

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